フィボナッチリトレースメントとは
フィボナッチリトレースメントは、ビットコイン取引で最も信頼性の高いテクニカル分析手法の一つです。この記事では、フィボナッチ比率を使った効果的な押し目買い戦略を詳しく解説します。
TradingView によるチャート (BINANCE:BTCUSDT)
上記はBINANCE:BTCUSDTのリアルタイムチャートです。価格動向の参考にしてください。
上記チャートでは、実際のビットコイ ン価格にフィボナッチリトレースメントを適用した例を表示しています。重要な反転レベルを確認しながら学習していきましょう。
フィボナッチ数列の基礎知識
フィボナッチ数列とは
数列の特徴
- 0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89...
- 前の2つの数を足すと次の数になる
- 自然界の多くの現象に現れる比率
- 金融市場でも高い確率で機能
重要なフィボナッチ比率
- 23.6% = 21/89
- 38.2% = 34/89
- 50.0% = 数学的中間点
- 61.8% = 黄金比(最重要)
- 78.6% = 61.8%の平方根
市場心理との関係
なぜ フィボナッチが機能するか
- 多くの投資家が意識: 自己実現的予言効果
- 自然な調整割合: 人間の心理的特性
- 利確・損切りの目安: 機械的な売買ポイント
- アルゴリズム取引: プログラム売買での活用
フィボナッチリトレースメントの引き方
基本的な引き方
上昇トレンドでの引き方
- 重要な安値(スイングロー)を特定
- 直近の高値(スイングハイ)を特定
- 安値から高値に向かってフィボナッチを引く
- 各リトレースメントレベルを価格で確認
下降トレンドでの引き方
- 重要な高値(スイングハイ)を特定
- 直近の安値(スイングロー)を特定
- 高値から安値に向かってフィボナッチを引く
- 各リトレースメントレベルを価格で 確認
正しいスイングポイントの選び方
重要度の判定基準
- 時間軸: 長期足のスイングほど重要
- 値幅: 大きな値動きのスイング
- 出来高: 大量売買を伴うスイング
- 明確性: 明らかなピーク・ボトム
よくある間違い
- 小さなスイングでのフィボナッチ
- 時間軸が混在した引き方
- 主観的なポイント選択
- 複数のフィボナッチを同時に引く
重要なリトレースメントレベル
38.2%リトレースメント
特徴
- 浅い調整での反転レベル
- 強いトレンド継続 時に機能
- 早期のエントリーポイント
- リスクリワード比が良好
38.2%での売買戦略
エントリー: 38.2%レベル接近時
損切り: 50%レベル下抜け
利確目標: 前回高値更新
リスクリワード: 1:3以上
50%リトレースメント
特徴
- 数学的な中間点
- 心理的に意識されやすい
- バランスの取れた調整
- 多くの投資家が注目
50%での売買戦略
- 38.2%で反発しなかった場合の次の狙い目
- より確実性の高いエントリーポイント
- トレンド継続の重要な分岐点
61.8%リトレースメント(黄金比)
特徴
- 最も重要なフィボナッチレベル
- 深い調整での最後の砦
- 高い確率での反転期待
- 長期投資家の エントリーポイント
61.8%での売買戦略
エントリー: 61.8%レベルでの反発確認後
損切り: 78.6%レベル下抜け
利確目標: 38.2%レベル到達
ポジションサイズ: 最大(高確率)
78.6%リトレースメント
特徴
- 最深の調整レベル
- トレンド転換の可能性
- 最後の買い場(または売り場)
- 高リスク・高リターン
実践的な売買戦略
押し目買い戦略
基本手順
- 明確な上昇トレンドを確認
- 直近のスイング安値→高値でフィボナッチ
- 各リトレースメントレベルで買い指値
- 段階的なポジション構築
具体例($40,000→$70,000の上昇後)
38.2%レベル: $58,540(最初の買い)
50.0%レベル: $55,000(追加買い)
61.8%レベル: $51,460(最大買い)
78.6%レベル: $46,420(最終買い)
戻り売り戦略
下降トレンドでの活用
- 明確な下降トレンドを確認
- 直近のスイング高値→安値でフィボナッチ
- 各リトレースメントレベルで売り指値
- 段階的な空売りポジション構築
複数時間軸での確認
マルチタイムフレーム戦略
週足: 長期フィボナッチレベル確認
日足: メインの売買判断
4時間足: エントリータイミング調整
1時間足: 細かいエントリーポイント
フィボナッチエクステンション
エクステンションとは
利確目標の設定
- リトレースメント後の 上昇目標
- 161.8%、261.8%、361.8%レベル
- 新高値更新後の目標価格
- 利確ポイントの客観的設定
エクステンションの引き方
- 上昇開始点(A)を設定
- 一回目の高値(B)を設定
- 押し目の安値(C)を設定
- A→B→Cでエクステンション描画
エクステンションレベルの活用
161.8%レベル
- 最初の利確目標
- 部分利確の実行
- 次の抵抗線として機能
261.8%レベル
- メインの利確目標
- 大部分のポジション手仕舞い
- 長期的な価格目標
他の指標との組み合わせ
RSIとの併用
強化シグナル
- フィボナッチ61.8% + RSI30以下 = 強い買いシグナル
- フィボナッチ38.2% + RSI70以上 = 強い売りシグナル
- ダイバージェンス + フィボナッチ = 高確率転換
移動平均線との併用
複合分析
- フィボナッチレベル + 200日MA = 強力サポート
- 複数の根拠が重なる価格帯を重視
- 移動平均線の方向でトレンド確認
出来高分析との併用
出来高プロファイル
- フィボナッチレベル + 大量出来高価格帯
- より信頼性の高いサポート・レジスタンス
- 機関投資家の注文集中価格帯
よくある失敗パターン
間違ったフィボナッチの引き方
避けるべき引き方
- 小さなスイングでの引き方
- 主観的なポイント選択
- 複数の時間軸の混在